1997年始動。当時、活動していたテクノユニット"urn"のライブを、PHSとRealVideoを使いストリーミング中継するためにスタートしたプロジェクトです。"urn"=「ウラン」の原子番号92から名付けられました。現在は、カガマコト (makotokaga)の個人的な活動の拠点となっています。
1997年4月、Project92では、"urn"のライブをインターネットを利用してライブ中継しました。"urn"は、伝説のCLUB「TSUBAKI HOUSE」のDJでもあり「COVER LOVER」プロジェクトのプロデュースなどで活躍する上出優之利と、atom、co-fusionでの活躍で知られる谷 丙午の2人による伝説のテクノユニットです。
urnの2人は、いまとなっては、先駆的すぎたインターネット放送局「ステーションGAIA」にて、ローランド「MC-303」2台でひたすら曲を作るという番組「HIGHWAY 303」を担当。1997年4月から11月にかけて、南青山maniac loveや新宿東口の路上などでライブを行いました。
当時の主流のWebブラウザは「Netscape Navigator 4.x」。再生は外部のRealPlayerにより行いました。RealVideoはちょうどライブ直前の1997年にβ版が公開されたばかりの製品でした。当時の多くのユーザーは低速のモデムかISDNでのダイヤルアップ接続だったため、ムービーの解像度は160×120ピクセル程度で、オーディオの品質を優先するため、フレームレートも落として配信していました。
最初のライブは1997年4月17日、南青山にあったクラブ「maniac love」にて。当時のクラブはインターネットの回線などがないため、臨時の電話回線を引くか、PHSによるダイヤルアップ接続を利用するほかありませんでした。maniac loveは地下にあるため、直接PHSでの接続ができず、中継用の「ホームアンテナ」を階段途中に設置していました。
1997年6月29日行った新宿東口での路上ライブの中継では、デスクトップPCを車に載せ、車の外に発電機を置いて中継しました。当時のノートPCでは、安定したビデオキャプチャ環境を構築することが難しかったため、このような構成を取っていました。